その名は・・・、ALPE D’HUEZ01~其壱~
2日0時に一旦掲載しましたが、うっかり時間を勘違いしていたので(時差があるので)、一時隠して再掲載しております。
体調不良でお休みを頂いておりますが、これだけはこの日にお伝えしたかったので、なんとか書き上げました。
一部の人にしか興味ある事かもしれませんが、ワタクシ=当店にとってはとても大切な事なのでお伝えします。
そう、ご存知の方もおられるはずですが、TIMEの新作発表です。

 タイム社が満を持して放つ、タイム史上最軽量フレーム、その名は”ALPE D'HUEZ SRIES-01"-アルプデュエズ01-(日本表記)


 フレーム重量はサイロン0.950 アイゾン0.920 フルイディティ0.950(Kg)に対して、0.840Kgと、かなり軽量なモデルです。
ホントは重量比較とか書きたくありませんでしたが、一応タイム史上最軽量なので書きました。 もともとタイムは軽量化にあまりこだわってはいません。やろうと思えばいつでも、他社を凌ぐ軽量化ができるとメーカーも豪語しています。 なぜしないのか?それは要らぬ軽量化をすれば、ライダーに対する負担が大きくなり、ペダリングやドライバビリティの許容範囲が狭められるからと考えているからなのです。
おっと、ここでそれを説明したら長くなるので、それはまた今度にして、今回は他社と比べると軽量とは数値上言えないのに、”超軽量”な走りを持つ新型フレームのインプレッションです(スペックなどの詳細は次回のブログにて)
実はワタクシ、1月24日に台湾で行われたタイム社の、アジア方面プレゼンテーションに参加させて頂きました。 このニューモデルは全世界同時発表され(時差除く)、ヨーロッパ方面はフランスで、アメリカ方面は北米で、そして日本を含むアジアは台湾で発表会が行われました。 各国の輸入代理店の方と、その代理店に選ばれた販売店(1国につき2店舗)のみ、参加が許されたプレゼンテーションです(ただし、日本枠のみ3店舗)
道中の与太話はまたの機会として、今回は試乗インプレをかいつまんで説明していきます。
 試乗は30分程度。スタートして即、結構な勾配の山を登り、まさにこのフレームの真骨頂を知る事ができました。
搭載コンポーネントはシマノ デュラエースDi2、ハンドル、ステムはタイム製。ホイールはENVEとまぁ、軽量の定番組み合わせですが、持ったらそら軽いです。 ここまで軽い車体だと経験上、一踏み目は軽いけどあとが続かない(すぐ疲れるか、ちょっとラフにペダリングしたら進まない)のが多いよなぁと思いましたが大間違い。 乗車してペダルを一漕ぎした瞬間から、ペダルを踏んだ足が”スカッ!”っと、まるで吸い込まれていく様な感覚がずっと続くのす。
ペダリングした時に足に感じるキックバックがまるで無い様な感覚で、吸い込まれた力は余すところなく推進力に還元され、恐ろしい位自転車が進んで行くのです。これはワタクシが2009年にそれまで乗っていたルックKG486から、タイムのRXR ULTEAMに乗り換えた時の感覚に近かったです。
いくら踏み込んでも足にキックバックが来ないので、どんどん踏み込んでいけます。しかしワタクシはRXRでその後にくる恐ろしさを知っているので、登りではあえて色んなギヤを試したり、スラロームしたりと車体の感覚を掴むため、セーブしながら走りました。
残念だったのは台湾の輸入代理店さんが装着された、ENVEのホイールでした。踏み込める車体はいいのですが、負荷が掛かってくるとフレームではなく、ホイールで力が逃げて斜度が上がって踏めば踏むほど”ホントのお前は、そうじゃないやろ~!”と思うほど歯がゆい位、ホイールがフレーム性能をスポイルしていました(当店で試乗車としてくる時は、まともなのをお願いしています)
驚きなのは、装備されたアクティブフォークの重さが、全く感じられません。ワタクシ、スカイロンアクティブを所有しておりますし、他のアクティブ装備タイプも幾度も試乗しておりますが、ノーマルフォークと比べると、どうしても重量を感じる所がありました。 しかしアルプデュエズは、全くその存在を感じさせず、その走りの軽さに”本当に俺、自転車乗ってんの?”と思う位です(あとから試乗した他店舗の方も同じ事を言っておられました)
タイヤは25Cでしたが、それを差し引いても振動吸収性が高く、日本よりやや悪い路面も全く気になりませんでした。 登りは前述の通り、あまりの走りの軽さに怖くなる位ですが、下りではその軽さが全くネガティブな方向に出ていません。
フロントがしっかりと安定しているので、全く不安感がなく高速で下れ、振動もしっかり吸収してくれるので不必要にブレーキをかけなくていいので、楽に下れます。
これらがタイムが常にユーザーのために考える”ダイレクトと快適性のバランス”なのかと、改めて感じました。 軽量性だけに重きを置くと、そのバランスが崩れて乗り手に悪影響を及ぼすと考えています。
このアルプデュエル01はロシニョール(タイムの親会社)がスキー板で開発し長年使用してきた、Basaltという新しいカーボン素材を使用しています。 アルプデュエズには短い時間しか試乗できませんでしたので、その全容を知る事はさすがに叶いませんでしたが、短い時間でも感じられる位の”恐ろしさ”は十分体感できました。
ALPE D'HUEZという車名は、タイムのこの車体だけに許されたネーミングです。 ツールドフランスの勝負所で有名なアルプスのこの村の名を、ちゃんと許可を得て冠しています。 一部だけ、この地のネームを使用したフレームもありますが、フルネームで許可を得ているのはTIMEだけです。この地の名を冠するに値するフレーム、それだけタイムのこのフレームへの意気込みが感じられます。
スペックなどの細かいご紹介は次回のブログ以降でまた掲載していきますが、実は我々と一緒にこの試乗車が2台、日本に入ってきているのです(実はアナログに、箱に入れて運んできた) まずは雑誌社にインプレ用として貸し出されるのですが、その後にこのプレゼンテーションに参加した店舗には、アルプデュエル01の試乗車を優先的に貸し出してもらえることになりました。 もちろん当店にも試乗車としてやってくるので、ぜひ、乗って感じて欲しいです。 まだ詳細な日程は未定ですが、2月中には当店にお目見えするかと思います。
アルプデュエルは従来のモデルより、非常に生産に手間のかかるものらしく、そうなると生産台数も少ないかと思います。 予定ではまずは春先にサイズS、Mより日本に入荷してきて、その後、XXS、XSの入荷となるそうです。
仕様はアクティブフォークとノーマル(クラシック)フォークでの2タイプで、シートピラーはトランスリンクタイプはなく、ノーマルシートポストタイプのみとなります。 掲載画像のカラーは限定色で、他にレッド、ホワイト、レーシング、フランスエディション、カスタムヒーローと、オプションカラーとなります。
またアルプデュエズ01はアクティブフォーク仕様で650000円(税抜き)、クラシックフォーク(ノーマルフォーク)仕様で590000円(税抜き)となっていますが(全て通常カラー)、より多くの人にタイムの夢を感じてもらえるモデルも、今回はラインナップされます。 それが、ALPE D'HUEZ21です。 こちらは形状や使用する素材はほとんど一緒なのですが、01よりも尖がった部分を省いて、より万人の方に乗って頂ける設定となっています。 こちらはフレームセットで、298000円(税抜き)で、01、21ともにカスタムカラーに対応(アップチャージ)しており、発注時に限り同時にステム、ハンドルを同色で塗る事も可能です(ハンドル、ステムは別売)
ワタクシ自身、タイムが大好きですが、タイムでも好きなモデルとそうでないモデルももちろんあります。 ですので、当店がタイムを誰にでも激押しする事もありません。むしろデザインやなんやらで、気に入らなければ買わない方がいいとお伝えします。 せっかく趣味の好きなものを買うのですから、誰に勧められて決められたものでなく、自分が一番欲しいものを買って頂きたいと考えております。 もちろん、一押しはなんですかと問われれば、”タイムです”と迷わずお答えしますが(笑)
次回のブログでは、スペックの他に現行のモデルとの比較や、ワタクシなりの考察をもう少し書いてみたいと思います。
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