ライディングの勘所 -脱力せよ-
天気な晴朗なれど波高し、なココ大阪のワタクシです。
最近は何をしても、体の動かしかたなどは、自転車、格闘技、はては楽器や歌、料理にいたるまで、根底でつながってる事が多いなぁと感じています。 詳しく書くと、ワタクシのつたない文章表現力では、とても書き表せないので割愛しますが、折に触れて要 点はこのブログで書いていきたいと思っています。
さて、そんな今日の勘所ですが、すべてに通じる”脱力”についてです。
”脱力”、一般的には力を抜く事ですが、ワタクシの考えるところは”不要な力は必要ない”と捉えています。
例えばボクシングなどでは、破壊力のあるパンチを繰り出すために、全身に力を入れて拳をギュっと握ってパンチを繰り出す事はしません。 そんな事をすれば、必要な力を無駄な部分に分散してしまうので、その分パンチ力は落ちてしまいます。10のパンチ力を持っていても、3の力を不必要に体のどこかに入力すれば、3の力はその部分をこわばらせるのに使われ、パンチ力は残った7にしかならないのです。 10の力を全て相手に放出するには、相手にパンチが当たる直前まで不必要な力は体に入力せず、インパクトの瞬間に10の力全てを拳に注ぎ込むのが理にかなってます。
これは自転車も同じ事なのです。例えば負荷の掛かる登りでシッティングの時に、ハンドルを”ギュー”っと握るとそこに力が食われて、ペダリングに本来行くべく力も食われてしまうのです。 足の力が手に力を入れたら食われるなんて、ありえないと思われるかもしれませんが、体の筋肉は骨とか色々なポイントを経由して、全て繋がっていると言っても過言ではないのです。 もう少し詳しく説明すると、シッティングで登坂中にハンドルを強く手前に引く(逆に前に押す)と、体はその方向に引っ張られます。 その時、完全に地面と平行に後ろ(前)方向に力はかかりません。なぜなら手のひらより肩が上にある(力の支点)ので、斜め上方向に体が引かれる(押される)のです。
上方向に体が押される(引っ張られる)と、お尻から荷重がわずかに抜けます。抜けるという事は厳密には、サドルからお尻が浮いているのに近い状態なのです。 という事は、腕力だけで体を浮かす事は出来ないので、無意識の内に脚力も使って上半身を支えているのです。それはペダリングする力が、体を浮かす事に食われている事に他ならないのです。 信じない方はしなくていいですが、今度試してみて下さい。登りでハンドルに力を入れて引く(押す)時、肩の力を抜いて腕を脱力してみて下さい。 足に今まで以上に力が入って、楽に速く(多少ですが)登れるはずです。
またダンシングでも、腕だけでなく体の無用な力を抜いて、重力の助けを借りて真っすぐにペダルに体重を落としこんでペダルを漕げば、楽に速く、そして体のどこにも負担(痛み)なくダンシングできるはずです。
ただし、これは乗るポジションがちゃんとできている場合に限ります。カッコいいからといって、不必要にハンドルを低く遠くしてたり、サドルを上げすぎたりしてると、脱力して必要なポイントに力を持っていく事ができません。 そのあたりは、当店のトレーニング講習会で、今まで世間一般に広まっている知識とは違う、シンプルで本当の事をレクチャーさせて頂けます。
トレーニング講習会の講師の方やワタクシは、自転車に乗る事だけの体作りを目指しているのではありません。 自転車に乗っていない時間の方が遥かに長い方がほとんどな現状、普段の生活にも通じる体つくりを目指して様々な知識を、ワタクシ達は学習しています。 世間では〇〇バカになれ!など、ただ1つの事だけ集中してやる事を尊ぶ傾向がありますが、1つ(種類)の事しか知らないと”ハマった”時や頭打ちした時などに、抜け出す事が容易ではありません。 一見、関係のない知識でも、無駄ではありません。むしろ体を使う事は、根底では全て繋がっているのです。それらの知識を様々なジャンルから学習する事で、より高いステージに自らを持っていけるなら、積極的に知るべきなのです。
ワタクシのこの話が、今は理解できなくても、視点を変えてご自身の経験で得た知識を見てみれば、きっと感じるものがあるはずです。 包丁さばき一つでも、腕だけでなく肩甲骨や鎖骨の動きを理解してやれば、今までとは全く違うさばき方ができるのです。
大事な事なので、繰り返してお伝えします。視点を変えて、ご自身の経験の中で得た知識を見て下さい。
ちょっと話がそれましたが、”脱力”とは”不必要な力を入れない”とお考え下さい。むやみやたらに力を”入れない”事ではないのです。 また”力を抜く”事に”力を使わない”で下さい。”脱力”なのです。
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