鉄の悪魔 其弐
この2か月、色んな事があってストレッチや筋トレは一切できず、自転車も通勤にすら1ミリも乗れませんでした。 そのかいあってか(?)、久々に行ったサイクリングでは全く走れず、あれほどバッチシだったポジションも全く体に合わない感覚で、初心者の方の気持ちが、久々に分かった様な気がします。
さて今日は、当店の販売商品の一角を担うフレームの紹介です。
 フランスの老舗メーカー、MBKのスチールフレーム クラブスポーツです。 上位グレードと位置付けられるクラブレーサーはフルオーダー可能で、乗り方などご希望にそって、使用するパイプを変えたりする究極の1台なフレームです。
上位、と言いましたが、クラブスポーツはフルオーダーではないというだけで、既成品としてのフレームとしては最高のスペックを持ったフレームとなっています。 スペックとは書きましたが、軽さや加速というものだけではなく、走って楽しく、どこまでも走りたくなる様なアドベンチャースピリットを刺激する、フレームに込められたマインドがこのクラブスポーツのスペックだと思います。
 パイプはコロンバスの最新鋭、スピリットですがラグが白く塗られているのが新鮮です。
 バックステーはクロモリラグ仕様では珍しく、2in1仕様です。


 BBラグにも誇らしく、MBKマークが入っています。 ワタクシの知る限りでは、ラグを真っ白に塗ったスチールフレームはまずありません。
正直ラグ仕様のスチールフレームは、手にもった時ズシリと重いです。 しかしコイツの真骨頂は、まさにペダルを一踏みした瞬間に判るはずです。昨今、重量や加速性能などのカタログスペックが、ネットなどで簡単にわかり、それが最大の判断基準となっています。 しかし自転車(だけに限りませんが)の本質は、スペックだけでは判りません! 前述した様に、どこまでも走りたくなる感覚というのは、言い換えれば乗っていて最高に楽しいという事ではないでしょうか?
スペックも確かに重要ですが、それは購入決定の一端を担っているに過ぎません。 もちろん乗った事もないフレームの、アドベンチャーマインドを感じろというのも無理な話ですが、魂のこもったものはそれを必要とする方には、そのオーラが感じられるとワタクシは信じております。
ちょっと怪しい宗教みたいな発言ですが、自転車に限らず工業製品にそういったオーラを感じた事が、皆様にもあると思います。 初見で感じた事は、非常に大事です。時間が経てば経つほど、雑念が入ってきて(知識とか思い込みとか)最初に感じたイメージと違うものに思える事が多々あります。
100%確実にいいとは言いませんが、ファーストインスピレーションは凄く大事にして頂きたいと思います。
おっと乗り味に関してですが、あくまでもワタクシの個人的見解なので、話1/3で聞いてください。 フレーム&フォーク重量は重いですが、ゼロ発進の一踏み目以外は意外(失礼)にバネ感のある乗り味です。 表現的にはよくあるスチールフレームと同じに聞こえますが、とにかくドンドン進んでもっと違う所へ行きたい感覚に襲われます。
こう書くと誤解されそうですが、データを取れば恐らくカーボンの最新最高峰モデルと比べると、劣っているのは間違いありません。 でも、それでも速い、加速スゴイと思わされる進み方で、とにかくペダルを漕いでいて楽しいです。
登りも斜度が急になった瞬間は、一瞬抵抗を感じますがそのあとは淡々と登り続けていく事ができます。
ワタクシもカーボンフレームの最高峰であるタイムを2台持って乗っていますが、スチールフレームも1台持っています。 明らかに性能は劣りますが、そんな事はどうでもいい、乗りたいと思わせる楽しさが”いい”スチールフレームにはあります。
もしギンギンのカーボンフレームをお乗りの方で、今日も乗りたいけどちょっと気持ちが疲れるなぁと思っていたら、こういったスチールフレームはセカンド(もしかしたら主力?)マシンに最適かと思います。
時には遥かに性能が上のカーボンフレームよりも、コイツがいいかもと思わせられるプリティデビル。それがスチールフレームなのです。
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