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ブラスター化
昨日やって来た2015モデルTIME-タイム-SKYLON-スカイロン-とIZON-アイゾン-ですが、定休日の本日にスカイロンを乗り回してやろうと思ったら、致命的な事が判明しました。
サイズがSなので大きいのはまだいいとして、カンパニョーロEPS(電動)の内蔵バッテリーがシートピラー下に入ってるので、ワタクシのサドル高まで下がらなかったのです。
スカイロンはミニマムサドル高700mmでワタクシは670mmなので、これはお話になりません。 アイゾンは680mmまで下がったので、まだ何とか乗れそうなので、本日乗ってまいりました。
今日は偉そうにも、そのインプレッションです。 その前にお伝えしておきます。このインプレッションはあくまでもワタクシ個人の見解です。 100%そのままではなく、話半分としてご覧下さい(文体もインプレ風にしています)
 タイム アイゾン サイズS コンポーネント カンパニョーロレコードEPS ホイール カンパニョーロ 2015ボーラウルトラ2 35 タイヤ ハッチンソンカーボンコンプチューブラー
ワタクシのサイズはXS(530相当)だが、試乗車はSサイズ(540相当)でサドルが所定の位置まで下がらず、本来の高さより10mm高い位置での試乗と言う事を、差し引いてお読みください。
まずのって感じたのは、今日の様な強風の中でもワタクシの乗るRXRより、風に煽られての挙動変化が少ないと言うことだ。 RXRはホイールも旧モデルとはいえ、同じボーラウルトラ2 35mmハイトなので今日の様な強風だと車体全体が軽すぎて風の影響を結構受けてしまう。
しかしこのアイゾンはワタクシのRXRより更に空力を推し進めていると言う触れ込みで、それが功を奏しているのか思いのほか、強風の中でも車体が安定している。 これは空力特性の恩恵もあるだろうが、RXRよりも直進安定性が増している事も大きいと思う(但し、相変わらずのヒラヒラ感はある) ヒラヒラしつつも安定感があると言うのも不思議だが、イタリアメーカーの様なレールの上を走る様な安定感ではなく、あくまでも自分の意のままに操れる安定感だ。 ワタクシは歴代主力戦闘機が、初代はジタン、2代目がルック、そして3代目がタイムと狙った訳ではないが、見事にフランスメーカーばかりだ。 フランスメーカーはワタクシの感じたところ、伝統的にハンドリングが軽快で、コーナーリング中もそれなりの腕があればラインを自在に変える事ができる。 逆に言えば、腕が無ければフラフラして安定しないとも言えるが、これは慣れで何とかなる範囲だと思う。 イタリア車がオン・ザ・レールなら、タイムなどフランス車はヒラヒラと舞う蝶々の様な感じか。
サイズが合わないのと、サドルが高いのであまり距離は走れないから近場でガツンと負荷をかけれる山へ行く事にした。 向かった先は南大阪ではある意味メッカの”ぶどう坂”。 ここは斜度もそこそこあり、当然下りもハイスピード。帰りの大和川河川敷はほぼ向かい風なので、今日みたいな強風だとワタクシの様な貧脚でも限界値に近い感覚が味わえるはずだ。
行きの河川敷は追い風でとにかくスイスイ進むので、コレじゃわからんと思ったが、後のギヤを見るとやけに重いギヤに入ってる。強風もあるだろうが、ペダルがスカスカ回るので知らず知らずのうちに重いギヤに入れていた様だ。
アイゾンはクリテリウムの様な加減速の多いレースから、ロングライドまでの幅広い用途に使えるモデルだが、確かに振動吸収性は非常に高い。 RXRならかなりの振動を喰らう、アスファルトがおろし金状になった路面も、マイルドにクリアーできる。 そういった振動吸収特性なら、普通はデカイ衝撃(くぼみとか)だと逆に大きく衝撃を感じるものだが、これまたマイルドに吸収してくれる。 特筆すべきは振動吸収に振った車体特性だと、加速がモッサリするものだがなかなかどうして結構いい加速をする。
これは振動吸収性もさる事ながら、路面追従性が高いからだと思った。路面追従性とはタイヤを路面に押し付ける力で、これがないと車体が跳ねてパワーがダイレクトに路面に伝わらない(進まない)のだ。 ワタクシは振動吸収性よりも、もっと路面追従性をアピールした方がいいと常々思っている。
話がそれたが、高い路面追従性のおかげでスイスイ進み、サイズが大きいの事もサドル高が合ってない事もあまり感じずぶどう坂に到着。 さていよいよ登り本番だが、正直ポジションが違うからどうだろうと思っていたが、ある程度人間が車体に合わして上ると多少違和感は感じるがそれほどでもなかった。 一定ペースで上ると、ギヤがいつもより1~2枚重くてもそれほど足に負担がかからずスイスイ登れた。 この”スイスイ”と言う感覚は読んでそのままで、決して速く走っているのではない。それは登り後半と帰りの平坦路で判明したのだがそれはまたあとで。
登っている時感じたのが、重心が高くあまり路面とタイヤの接地感が感じられなかったのだ(これは下りで強く感じた) その分ダンシングは振りやすかったが、特にリヤの接地感が薄く、走っている実感が掴みづらくてこれが”スイスイ”走る感じを助長しているのかもしれない。
ネガティブ感満載のインプレだが、踏み込んだら今までより長くそのスピードが維持できるし、すごいのは力尽きた後普通なら通常の一定ペースも維持できない位になるはずが、そこそこのスピードを維持しつつ体力を回復できた事だ。 これは長いヒルクライムや、平坦でも大きな助けになると思う。
さて下り、直線では安定感が増した様に感じたが、重心の関係かはたまたサドルが高すぎるせいか、”ヒラヒラ”感がネガティブな方に働いてしまい、高速コーナーなどでインにつき過ぎてしまい、慌てて戻すと戻りすぎるといった安定しないラインでの走行となった。 まぁこれはサイズもサドル高さもあってないのと、むしろハイスピードでインにつき過ぎてしまうと言うことはしっかり曲がってくれると言う事でもある。 しかし一つ気になった事があった。これはこのアイゾンの特性に大きく関係があるもので、ワタクシがネガティブに感じていたすべての事象の元凶であろうと思われる。
それはリヤのベントしたバックステーだ。このバックステーがアイゾンの振動吸収性、路面追従性に大きく貢献していると思うのだが、その能力の高さゆえにシチュエーションによっては、ワタクシにはネガな方向に働いたのだ。
具体的にいうとリヤがタイヤを路面に押し付ける力が、少しだけ強い様に感じるのだ。 それはリヤがペダリングやコーナリングフォースなどで掛かるトラクションに対して突っ張ってしまい、感覚的にはリジットになり、それが腰高感や妙にヒラヒラした感じを乗り手に与えてしまっている様に思える。
ただこれは推進力をダイレクトに路面に伝えている側面もあるし、おそらくポジションを合わせて人間も自転車に合わせてセッティングすれば解消する問題だと思う。それぐらい微妙な問題で、恐らく感じない人も多いはずだ。
反面、ヘッド周りはガッシリしているので、ヒラヒラする割には狙ったラインに乗せやすかった(慣れがちょっと必要だが、下り1本の間に慣れた) これがフロントフォークがアクティブ仕様だとどういったものになるのか、スゴク興味深い。
アイゾンでもう一つ気になった事があった。それは帰りの平坦で、ちょっとした坂があるのだが、重いギヤでパワーをかけてフル加速すると、それまでとは一転して思ったほど加速しなかったの事だ。 恐らくパワー系の人が登りの場面で、ギヤをかけてフル加速する仕様ではないと感じた。恐らくこれも前出のバックステーが絡んでいるのかもと思った。 試しに今度は同じ坂で、重いギヤで一気にパワーを駆けるのではなく、今泉君バリにスムーズに回して必要なパワーをかけていったら、“スルスル”っと登っていった。 どうも緩い登りは、無理やりなパワーのかけ方をされるのが、アイゾンはお好きでは無い様だ。 これは”ロングライド”にも最適な歌い文句が、顕著に現れたせいだろう。
そりゃそうだ、切れ味抜群の加速でマイルドな乗り心地で路面追従性がいいなんて、そんなものは中々無いと思う。 それは自転車のセッティングだけでなく、人間も自転車に歩み寄る事をしないとできない事だと思ってる。
トータルでは正直短距離走行なので、あまり真髄をついたインプレができたかどうが疑わしいが、自分の6年前のRXRと比べると年月の重みを感じる。 RXRなら、セカンドグレードのアイゾンにまだまだ引けは取らないと思っていたが、タイムのカーボンフレームはここまで進化するものなのかと感じた走行だった。
アイゾンのインプレはひと段落したのでここからは余談だが、自転車乗りの多くは機材に頼り過ぎだ。 いわゆる”機材ドーピング”と言うことではなく、人間が機材の力を引き出してやる事をしていないと言う意味でである。
いいフレームいいホイールに“交換”しました。もちろんセッティングをあわすのは当然だが、当の乗り手は以前の機材のセッティングのままで(人間のと言う意味で)、新しい機材に対応した乗り方を考えてないのだ。 いい機材を買ったから速く、楽になるのではなく、その力を引き出す乗り方をしないとだめなのだ。 それはトレーニングするという事ではなく、じつはスゴク簡単で、ちょっと座る位置を変えるとか、腕にもうちょっと余裕を持たすとか、背筋を曲げたり伸ばしたりするといった些細な事で、劇的に変わる事もあるのだ。
様はその機材の力を出せる”スィートスポート”に、体をすっぽりはめてやる事なのだ。コレを心がけていれば、カーボンホイールに交換しなくても、今までのアルミホイールで自分でもビックリする位、楽に速く長く走れる可能性だってあるのだ。
最後に、上記に偉そうにインプレ書いてますが、あくまでもワタクシの私見です。話半分にしといて下さい。 それは雑誌社のインプレ本や、速い人の個人ブログでのインプレでも同じです。 人間に個性がある様に感じ方もそれぞれ違います。同じものでも、真逆に感じる方もいるのです。 にんじんが好きな方もいれば、嫌いな方もいるのと一緒です。
本当にインプレが信用できるのは、その機材の開発にかかわったテストライダー位だと思ってます。 皆さん、インプレばかり気にせず、本当に欲しいモノを購入して下さい。好きになったらアバタもエクボですから(笑)
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