でも1流にはなれない
最近は日々のお客さんの来店数は少ないですが、納車の組み立てが立て続けに入り、それなりに忙しいです。
組み立てながらいつも思うのは、どうやったらもっとうまく組めるのかなっという事です。
 もっとうまくというか、店主がいつも組み立てで考えるのは、1番にいかに長く壊れない、2番はスムーズに快適にそれを長期間維持です。
スペシャルな事はしてませんし、しません。今のパーツは下位グレード(5万位のナンチャッテロードについてるパーツは別ですが)でも、ちゃんと整備すれば本来の機能を発揮して、何もしないより驚くくらい良く動く様になります。
もっともそれは最初からそうした作業をしていると、乗り手はそれが普通になるのでわからないと思いますが、それでいいんです。
昨今は完成車のグリップの色を変えただけでも“カスタム”と言うショップさんもいる様ですが、それは乗り手側からすれば“カスタム”ですが、ショップから見るとそうではないと思います。
店主的にカスタムとう概念は、当初の製品に何らかの改造を施して性能を上げる、違う目的に使用すると事になります。
一般の方にはラインナップにはない形にすれば“カスタム”と言ってもらっても差し障りないですが、ショップ側の人間には違う表現をして欲しいなと思います。
ところで今のパーツ(特に上位グレード)では、昔みたいに“切った、貼った、盛った”みたいな作業をしなくても、必要以上の性能があります。 逆にそんな事したら、耐久性が落ちるのはもちろん、本来の性能も出なくなります。
ピンポイントでそこの性能を上げたいというのはありますが、そうするとバランスが崩れて他の部分が著しく性能が低下するのが常です。
店主はいかにそのパーツ本来の性能を、100%引き出せるかを考えて組んでいく様にしています。 だからスペシャルな事はしませんし、仮にスペシャルな事をしてもそのパーツはお客さんには販売しません。(自分では試します)
だってメーカー保証が効かないから。“切った、貼った、盛った”の作業は、メーカー保証が効かなくなり、それはお客さんの安心を奪ってしまいます。 店主達の仕事は、お客さんに安心して自転車に乗って貰う事で、レースメカニックの様に乗り手に誰よりも速く走って貰うことではありませんから。
職業レーサーなら、パーツの耐久性を犠牲にしても、その一発のレースに勝たないといけませんので、そういった作業もありですが。
なぜ、こんな話をしたかというと、いくらロードレーサーに乗って速く走る人でも、ほとんどの人がロードレーサーを“ママチャリ”の延長線に捕らえている方が多いからです。
車やオートバイと同じで、定期的なメンテナンスが必要です。 車やオートバイはそれぞれのパーツに“厚み”がそれなりにはあるので耐久性が高いですが(レースモデルは別)、自転車はペラペラのフレーム&パーツなので、そこまでの耐久性はありません。
だからこそ、必要最低限なメンテナンスが必要です。
そんなにヘビーな事はありません。チェーンの掃除や空気圧の管理を適切に行い、そして何よりも自転車を綺麗にするだけでいいです。 それだけでも、長く安心して乗っていけます。 それ以上の作業はプロである、ちゃんとしたショップさんにお願いして頂ければいいです。
ママチャリの延長線に考えてるといったのは、最近は安く海外通販でパーツを購入される方が増えましたが、自分で組めると過信する方が多いからです。 ちゃんとできてると思っておられる方がほとんどだと思いますが、よほどの回数をこなすか仕事でそういった関係をしている方以外は、止めた方がいいです。
なにかそういった組み立て系の仕事をされてる方は、ボルトの締め方やパーツの扱いを知っているのであまり問題はないと思いますが、そうでない場合はボルトを締める事すらおぼつかないはずです。
”ボルト締めるのなんか簡単”と言うのは、思い違いです。いつかボルトを“なめて”パーツ壊して痛い目みると思います。
かなり厳しい事書きましたが、ロードレーサーは精密機械だと言う事を忘れないで下さい。 ママチャリの延長線にある乗り物では無いということを、皆さんにちゃっと知っておいて頂きたいです。
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